『浪華悲歌』松竹大谷図書館所蔵
監督:溝口健二
1936年/日本/71分/35mm/モノクロ/製作:第一映画/配給:松竹
同年の『祇園の姉妹』と共に、戦前期における溝口健二の代表作。山田五十鈴が演技派女優としての才能を開花させた作品でもある。男性に搾取される女性の運命を女性の視点からのリアリズムで描き、社会的立場の弱い女性が、偏見や不平等に立ち向かう。電話交換手の主人公は、多額の借金をかかえた父親のために、社長の愛人になり、兄の学費を稼ぐために美人局をし、警察に捕まってしまう。彼女の自己犠牲が報われることはない。ラストに彼女が一人で歩き出す様子にかすかな希望が見える。キネマ旬報ベストテン第3位。
<上映日>
12月6日 (土) 10:30~11:59/18分+71分=89分
『わたしたちはこんなに働いている』同時上映
12月11日 (木) 13:30~14:59/18分+71分=89分
『わたしたちはこんなに働いている』同時上映