開催日
2025年12月6日(土)〜12日(金)
主 催
日本大学芸術学部映画学科 映像表現・理論コース3年「映画ビジネスⅣ」ゼミ/ユーロスペース
上映協力
クロックワークス/国立映画アーカイブ/コピアポア・フィルムズ/コミュニティシネマセンター/ジェイ・シネカノン/シネマクガフィン/松竹/松竹大谷図書館/東宝/パンドラ/マーメイドフィルム/ミカタ・エンタテインメント/ KADOKAWA/ BIG RIVER FILMS /金東洋/ Les Films du Losange/ Park Circus Marketing/ Rainer Werner Fassbinder Foundation
2011年度に始まり、今年で何と15回目を迎える日芸映画祭。テーマは「はたらく×ジェンダー」。
男女雇用機会均等法から40年、戦後80年、そして昭和100年。今なお日本のジェンダー指数は、世界118位。「男性は仕事、女性は家庭」と求める社会と「女性は女性らしく、男性は男性らしく」という圧力がはたらく姿をゆがめており、それゆえに労働環境やジェンダーの価値観は昭和から変わっていない。世界経済フォーラムによると、完全なジェンダー平等を達成するにはさらに123年かかる。「変わらない」がそんなに続くとは。
本映画祭は、はたらく人々がジェンダー問題に直面する古今東西の作品を通して観客と共に考えることを目的とする。弁士と三味線付きで上映する『君と別れて』(成瀬巳喜男)は、芸者2人を男性の視点からじっくり見せる。『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080,コメルス河畔通り23番地』(シャンタル・アケルマン)は、主婦の日常を圧倒的なリアリズムで映し出す。ほかにも世界最初の女性監督なのにも関わらず忘れられたアリス・ギイの半生を解き明かす『映画はアリスから始まった』など、「はたらく」と「ジェンダー」が交差する作品を揃えた。今年は、韓国の『下女』、ドイツの『マリア・ブラウンの結婚』、イギリスの『この自由な世界で』、フランスの『未来よ こんにちは』の過去最多となる4作品で海外の権利元と直接交渉を行った。
登場人物がどのように働き、生きていくのかを観客の方々と見届けたい。私たちはこれから就職し、どのようなジェンダー問題と直面するのか。改めて、この社会で「はたらく」とは何かを見つめ向き合う。従来のジェンダー像が根強く残るエンタメ・映画業界を目指す私たち映画学科生がこうして現状と向き合うことが、「変わらない」日本を揺るがすきっかけになると信じている。
(映画祭企画学生一同)
※タイトルをクリックするとチラシをご覧いただけます。
これまでに起こった古今東西のさまざまな事件や現在にも通ずる社会問題について「声をあげる」人々を扱った映画に焦点を当てた。戦争・貧困・政治問題・女性差別などのために抑圧された人々が決死の訴えを起こす姿を鮮烈に映し出した作品を選出した。
「移民」と一言で片付けられる言葉の背景には、どのような苦悩や苦痛があるのか。日本における移民を扱った作品と共に、日本人が移民として外国へ渡った作品、移民先進国の海外の監督が移民や難民を描いた映画も加えており、日本、そして世界の移民問題について考える映画祭になった。
2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻し戦争が始まった。それまでどこか遠い存在だった戦争は短なものとなった。「この土地は誰のもの?」戦争について、国について、人々について改めて問う映画祭となりました。
昨今、さまざまな性的指向や性自認への理解が広まりつつある。時代と共に見方や評価が変わりゆく芸術、とりわけ時代の価値観が反映されやすい“映画”を学ぶ私たちだからこそ、見過ごされてきたこの問題に改めて向き合う映画祭。
2020年、武漢から始まった新型コロナウィルスの感染拡大、香港の国家安全維持法の施行など、中国が世界各地でニュースにならない日はなかった。映画を通して中国、台湾、香港や日本との関係を「知る」映画祭。
2018年に発生した日大タックル問題と東京オリンピック2020の間で、学生はスポーツの在り方ついて考えた。スポーツ関連の報道から感じる同調圧力、相次ぐ体罰問題などに着目し、スポーツと映画それぞれが持つ“力”を見つめ直す映画祭。
『キューポラのある街』(1962)に描かれていた、朝鮮半島と日本の歴史に学生たちは衝撃を受けた。「知らなかった」では済まされない過去や問題を「身近なもの」として考え直す映画祭。高い評価を受け、翌年ソウルでも本映画祭のプログラムが上映された。
前年8月に天皇陛下が生前退位の意向を表明されたことは、平成生まれの学生たちにとって天皇や日本について考えるきっかけとなった。日本国憲法が施行されて70年、映画はどのように天皇を描き続けたのかを考える映画祭。
地下鉄サリン事件、9・11、イスラム過激派のテロ事件…。宗教と社会が不穏に結びつく時代を生きた95年生まれの学生たちが「信じるとは何か?」に真っ向から向き合う映画祭。
映画の始祖・リュミエール兄弟の派遣したカメラマンが19世紀末のアイヌ民族の姿を撮影していたことから始まり、映画はいつもマイノリティを映し出してきた。世界的に偏見と排他が蔓延する現代にこそ、学生の視点から日本の差別の戦後史を見つめ直す映画祭。
映画を学ぶ立場から日本映画の未来を見つめることを中心に、21世紀を担う監督たちを招き、自主制作作品や秘蔵映像などの上映を行った今までにない映画祭。4名の監督による討論なども話題に。
映画『マイ・バック・ページ』に感銘を受けた学生たちが現代の視点で「1968」という時代を再評価するべく、学生運動そのものや、そこから生まれた世界の変化や激動を描いた作品を集めた映画祭。