現役日藝生による映画祭︎︎

 

現役日藝生企画・運営する「日芸映画祭」は、今年で14回目を迎えます。

2024年のテーマは「声をあげる」。 企画意図はこちらからご覧ください。

ぜひ多くの方にご来場いただけますと幸いです。

何しろラインナップの縦横無尽ぶりが素晴らしい。新旧問わず、硬派なドキュメンタリーとビッグバジェットのジャンル映画をあえて並列にキュレーションすることで、より鮮やかに普遍的な問題意識が浮かび上がる……つまり確かにどれも、押しつけられた社会的不条理に対して、もうこれ以上スルーも泣き寝入りもしない!と、「声をあげる」作品なのだ。今この瞬間、この並びで観るからこその、貴重で豊かな鑑賞体験となるに違いない。

宇多丸 (RHYMESTER)

おかしくないでしょうか?「ハマースのテロ撲滅」の名でイスラエルのジェノサイドが続き、「自衛権」の名でそれを許す世界。76年以上の占領と民族浄化に立ち向かうパレスチナの抵抗の権利はテロではない。

常識や前提を問い、語り、声をあげよう!

今、声を挙げなければ、いつのまにか米・中・ロに囲まれた核戦争勃発の危機の最前線の、この日本の足元から戦争が始まっていくでしょう。「声をあげる」日芸生が主催する映画祭で共に過去を観、知り、声を挙げる一歩としたい。

重信房子 (著述家・歌人)

Easy to be hardという歌があった。60年代後半、アメリカがベトナム戦争と黒人差別で揺れていた時代に作られ、一世を風靡したミュージカル『ヘアー』のなかの一曲だ。ハードに、つまり頑なに構えていると、イージー、つまり楽なのよ。ノーといって目を閉じてしまえばいいだけの話だから。そりゃガイジンや社会正義を気にする人はいるけど、あれは特別な人。わたしには関係ない。でも、わたしだって友だちがほしい。ハードでいるだけでいいのかしら。

ここに集められたフィルムは、どこかでこの歌に繋がっている。頑なであってはいけない。自分の知らない人のために声をあげるのだ。

四方田犬彦 (映画誌 ・比較文化研究家)

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